
カードローンの返済方法
カードローンでお金を借りた場合は、必ず返済をする必要があります。
カードローンを利用した場合の返済方法は、取引をする金融機関や借り方によって様々です。
注意する必要がある点としては、返済方法によって金利が変わってくるということです。
例えば、月々の返済額は少なくなるけれど、利息を含めたトータルの返済額が多くなるような返済方法があります。
逆に、月々の返済額は多くなる代わりに返済期間が短くなり、利息を含めた総返済額が少なくなるという返済方法もあります。
そのため、家計の収支やライフスタイルに合わせて、一人ひとりに最適な返済方法を選ぶことが大事になります。
このページでは、カードローンの種類と選び方について説明していますので、「カードローンを利用したいけれど、自分に合った返し方が分からない。」という方は、一度目を通しておくことをおすすめします。
返済方法 の種類
カードローンは、極度型ローンのため、約定返済(やくじょうへんさい)という返済方法を採用しています。
約定返済とは、毎月決められた期日(約定返済日)に、約定返済額を預金口座から自動引き落としで返済する方法です。
カードローンにおける約定返済は、リボルビング払い(リボ払い)という返済方法が一般的です。
ちなみに、クレジットカード(主にチャージカード)のキャッシング枠を利用する場合は、一括返済が一般的です。
また、一括返済だけでなく、回数を指定して返済する分割払いや、リボ払いも利用されます。
リボルビング払い(リボ払い)とは

リボルビング払い(リボ払い)とは、主に欧米で一般的に利用されている支払方式です。
商品購入金額や利用件数にかかわらず、毎月指定する支払い元金と利息を約定返済日に支払うことになります。
毎月の支払額はほぼ一定なので、無理なく計画的に利用することが出来ます。
また、毎月の約定返済日だけでなく、銀行やコンビニのATMから繰上返済(臨時の支払い)を行うことが出来ます。
借入残高をのうち、全部または一部を繰上返済することで、早期返済が可能となり、将来利息の支払いが不要になります。
リボ払いと分割払いの違い
リボ払いは、前述の通り、月々ほぼ一定の額を支払う返済方法です。
一方、分割払いは、借入れた元金に利息を加えた金額を、指定した回数に応じて分割して支払う返済方法です。
分割回数は、2回払い、3回払い、5回払い、6回払い、10回払い、12回払い…、36回払いなどのように回数を指定して返済します。
基本的に分割2回払いは、手数料無料の場合が多いようです。
分割払いは、一度の借り入れであれば、単純に借入総額を分割回数で割った額を月々返済することになります。
しかし、複数回の借り入れをした場合は、月々の返済額は借入回数に応じて大きくなります。
例えば、ある月に3万円を年利20.0%の3回払いで借り入れ、翌月にも同様の借り入れをした場合は、以下のようになります。
一度目の借り入れ (30,000円) | 二度目の借り入れ (30,000円) | 返済合計額 | |
---|---|---|---|
1回目の返済 | 10,405円 (元金10,000円+利息405円) | – | 10,405円 |
2回目の返済 | 10,300円 (元金10,000円+利息300円) | 10,405円 (元金10,000円+利息405円) | 20,705円 |
3回目の返済 | 10,300円 (元金10,000円+利息300円) | 10,300円 (元金10,000円+利息300円) | 20,600円 |
4回目の返済 | – | 10,300円 (元金10,000円+利息300円) | 10,300円 |
このケースの場合、全4回に渡って返済することになり、トータルでの返済額は、6,2010円(元金60,000円、利息2,010円)となります。
また、分割払いの場合は、借り入れ件数が多くなれば、一月あたりの返済額が大きくなることが分かるかと思います。
一方、リボルビング払い(リボ払い)の場合は、分割払いとは異なり、1回あたりの返済額はほぼ同じです。
つまり、上記の例と同様に、ある月に3万円を借り、翌月にも3万円を借りた場合でも、月々の返済額を1万円に設定しておけば、毎月1万円を返済すればいいわけです。
ただし、リボ払いは、借り入れ回数が多くなればなるほど、返済期間も長くなるため、利息の総額も大きくなるということを理解しておく必要があります。
分割払いとリボ払いのおおまかな違いは、下表の通りです。
支払い方法 | 分割払い | リボ払い |
---|---|---|
毎月の支払い額 | 利用金額によって変動 | ほぼ固定(自分で設定した金額) |
支払い回数 | 固定 | 利用金額によって変動 |
ちなみに、分割払い、リボ払い共に、繰上返済による一括支払いが可能です。
分割払い・リボ払いのメリット
以上の内容を踏まえ、分割払いとリボ払いのメリット・デメリットをまとめてみました。

分割払いのメリット
分割払いのメリットは、支払い回数を自分で指定するので、返済期間が把握しやすいという点が挙げられます。
また、分割回数を少なく指定すれば、一回の返済額は大きくなりますが、金利手数料は小額で済みます。
2回払いを指定すれば、金利手数料が無料になるケースが多いため、余計な利息を支払う必要がないというメリットがあります。
リボ払いのメリット
リボ払いのメリットは、支払額が毎月ほぼ一定なことです。ただし、リボ払いには様々な種類があるため、返済方式によっては変動する場合があります。
また、毎月の請求額が一定のリボ払いは、借入額が増えても安心して利用でき、支払い管理をしやすいというメリットもあります。
このように、リボ払いは、家計への負担を最小限に抑えることで、計画的な利用が可能になります。
分割払い・リボ払いのデメリット

分割払いのデメリット
分割払いのデメリットのデメリットは、借り入れ額が多くなればなるほど、毎月の支払額も増加することです。
また、借り入れが重複した場合は、毎月の支払額も重複するため、返済が大変になります。
支払い回数が多くなればなるほど、支払う金利手数料も大きくなります。
そのため、金利手数料を抑えたい場合は、分割回数を少なく設定しなければいけません。
リボ払いのデメリット
分割払いは、完済するまでの返済回数が決まっていますが、リボ払いは返済回数が決まっていません。
そのため、借入額や借り入れ件数が増えると、それに比例して支払い回数も増えるため、ローンの期間が長引きやすいことがデメリットです。
また、支払い回数が多くなればなるほど、支払う金利手数料も大きくなります。
その他にも、月々の返済額が一定なので、借金をしているという感覚が薄れて、借り入れが常態化しやすいというデメリットがあります。
リボ払いの種類
現在、カードローンやクレジットカードの返済方法の多くが、リボ払いを採用しています。
ただし、一口にリボ払いと言っても、実際には様々な種類があります。
各金融機関・貸金業者が採用しているリボ払いの方式には違いがあるため、予めその方式を理解しておくことをおすすめします。
リボ払いは、元利と元金、定額と定率、そして残高スライドという仕組みを、それぞれ組み合わせることで成立します。
では、それらを組み合わせたリボ払いの種類を見ていきましょう。
- 元利定率リボルビング方式
- 元金定率リボルビング方式
- 元利定額リボルビング方式
- 元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定額リボルビング方式
- 残高スライド元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定率リボルビング方式
- 残高スライド元金定率リボルビング方式
リボ払いは、上記の全8種類で構成されています。
このリストだけでは、なかなか分かり辛いと思いますので、まずは、元利と元金について見ていきましょう。
元利と元金
元利とは、元金(元本)と利息の合計のことをいいます。
つまり、元利と表記されている場合は、返済額に利息が含まれることを意味します。
これを「元利均等返済」と言います。
元金とは、その名の通り、借り入れをしたお金のことで、返済額に利息は含まれません。
これを「元金均等方式」と言います。
下表は、元利と元金の違いについての一例です。
1万円を返済する場合 | 計算式 | |
---|---|---|
元利 | 1万円から利息分を引いた金額を元金から引かれる。 | 元金 – (1万円 – 利息分) = 借入残高 |
元金 | 1万円と利息分を返済するため、1万円分の元金が減る。 | 元金 – (1万円 + 利息分) = 借入残高 |
元利に比べて元金の方が、「元金」が減るペースは早くなります。
定額と定率
定額とは、返済する金額がはじめから決まっていることを言います。そのため、借入残高の多い少ないにかかわらず一定の額を返済することになります。
定率とは、借入残高に応じて一定の割合を手数料として支払うことを言います。そのため、借入金額が多ければ多いほど金利手数料は高くなります。
定額 | 月々の返済額を1万円に設定した場合、毎月1万円を返済していくことになる。 |
定率 | 年利18%で50万円を借入した場合の利息額 約7,400円(50万円 × 18% ÷ 365日 × 30日 = 約7,400円)。 10万円を借り入れした場合の利息額 約1,480円(10万円 × 18% ÷ 365日 × 30日 = 約1,480円)。 |
定額は一定額を毎月返済していくため、定率に比べて完済までの期間が短くなります。
残高スライド方式以外のリボルビング方式

残高スライド方式以外のリボルビングの種類については次の通りです。
元金定額リボルビング払い
元金定額リボルビング払い(ウィズアウト方式)とは、元金なので月々の返済額に利息を含みません。返済額は毎月一定で、締日時点の利用総額から計算した利息を加えて返済することになります。
元金定率リボルビング払い
元金定率リボルビング払いは、月々の返済額に利息を含まず、支払う割合が借入残高によって変わってくる返済方式です。
元利定額リボルビング払い
元利定額リボルビング払いは、借入元金に利息を合わせた額に対し、一定金額を返済していきます。
月々の支払額が変動せず一定なので、無理なく返済することが出来ます。
その反面、返済額に利息が含まれるため、月々の元金返済額がわかりにくく、返済が長期化する傾向があります。
元利定率リボルビング払い
元利定率リボルビング払いは、元金に利息を合わせた額に対し、借入残高に応じて一定の割合を支払う返済方式です。
残高スライド
残高スライドとは、借入残高に対して返済額が変動する返済方式です。
月々の最少支払金額 = ミニマムペイメントを返済するため、ミニマムペイメント方式とも呼ばれます。
残高スライド方式は、借入残高の増減により、毎月の支払額も変動するという特徴があります。
つまり、借入残高が多い場合は、支払額も高額になります。逆に、返済が進んで借入残高が少なくなればなるほど、返済額も少額になります。
定額スライドの一例
残高 | 最低支払金額 |
---|---|
5万円未満 | 5,000円 |
5万円以上10万円未満 | 10,000円 |
10万円以上20万円未満 | 20,000円 |
20万円以上30万円未満 | 30,000円 |
30万円以上40万円未満 | 40,000円 |
定率スライドの一例
残高 | 割合 |
---|---|
30万円以下 | 5% |
30万円以上100万円未満 | 3% |
100万円以上500万円未満 | 2% |
現在、消費者金融カードローンや銀行カードローン、クレジットカードのキャッシングのリボ払いでの返済は、残高スライド方式が一般的です。
返済方式 | 返済方法 |
---|---|
定額方式 | 毎月、一定額を返済する方式。 |
定率方式 | 借入総額に対して、一定の割合を返済していく方式。 |
残高スライド方式 | 毎月の借入残高に応じて最小支払額が決定され、段階的に定額または定率で返済していく方式。 |
残高スライド方式も、先ほどの「元金」「元利」「定額」「定率」を組み合わせることで、次の4種類に分けることが出来ます。
残高スライド元利定額リボルビング方式
「残高スライド元利定額リボルビング方式」は、元金に利息を加えて、一定の金額を返済してくことになります。
残高スライド方式のため、借入残高に応じて、毎月の最低支払金額が変動する仕組みとなっています。
この「残高スライド元利定額リボルビング方式」は、現在、カードローンで最も多く採用されている返済方式です。
アイフルでは、「元金定率リボルビング方式」と共に「残高スライド元利定額リボルビング方式」を採用しています。また、プロミス、オリックス銀行もこの返済方式を採用しています。
WEBサイトなどの表記は、「残高スライドリボルビング方式」とのみ記載されている場合もあります。
残高スライド元金定額リボルビング方式
「残高スライド元金定額リボルビング方式」は、元金なので月々の返済額に利息を含みません(返済元金に利息を加えて支払う)。
「残高スライド元利定額リボルビング方式」と同様に、借入残高に応じて、毎月の最低支払金額が変動します。
返済額に利息を含まないため、「残高スライド元利定額リボルビング方式」に比べて、借入元金が減少するペースが早くなるという特徴があります。
残高スライド元利定率リボルビング方式
「残高スライド元利定率リボルビング方式」は、返済額に利息を含み、支払う利率が借入残高に応じて変動します。
残高スライド方式のため、借入残高に応じて、割合が変動する仕組みとなっています。
残高スライド元金定率リボルビング方式
「残高スライド元金定率リボルビング方式」は、元金定率なので、借入残高に決まった割合をかけた額を元金とし、それに利息を加えた額を返済していくことになります。
まとめ
カードローンでは、一般的にリボルビング払い(特に残高スライド元利定額リボルビング方式)を採用しています。
毎月の返済額が多い場合は、返済額は大きくなりますがトータルでの利息の負担は少なくて済みます。
反対に、毎月の返済額が少ない場合は、返済期間が長くなりがちで、トータルで多額の利息を負担することになります。とは言え、毎月無理なく返していくことが可能です。
リボ払いは、毎月の返済額が少ないので、家計への負担が軽いと感じてしまいがちです。
そのため、無計画にカードローンを利用してしまうと、なかなか元金がへらず返済ばかりが続いて、一向に完済しないという事態に陥る可能性があります。
最悪の場合、返済不能という事態にもなりかねないため、カードローンを利用する場合は、次の2つを必ず守ってください。
- 残高がいくらあるのか把握すること
- いつ返済が終わるのかスケジュールを確認すること
また、カードローンを提供する会社の返済方式をチェックしておくことも忘れないようにしましょう。
世間的には、怖いイメージを持たれることが多いリボ払いですが、きちんとポイントさえしっかり押さえておけば、必要以上に恐れることはありません。
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